医療法人イプシロン 北参道こころの診療所 渋谷区の精神科・心療内科

2021.10.19 ・ 法人ニュース

認知行動療法はうつ病や不安障害などの「こころの病」に有効な治療法として注目されています。1977年に最初の効果研究が示されて以降、現在までに500を優に超える効果研究が行われています。認知行動療法はうつ病といったこころの病からの回復、ストレスケア、人間関係の改善など、幅広いこころの問題に活用されており、現代における最高のケアテクニックといえます。

医療の分野でも副作用が少なく薬と同等の効果が証明されている認知行動療法がファーストラインになっている国も増えてきています。認知行動療法の研究知見は年々増え続けており、現在では第3世代と呼ばれるなど効果的な方法についての研究が進んでいます。一方で日本では認知行動療法の専門家の養成は遅れており普及が滞っています。そのため、認知行動療法の専門家に会うことは難しく、自分で学ぶには情報が多すぎて困難なことが珍しくありません。

そこで認知行動療法を適切に習得して頂けるようにエッセンスをできるだけわかりやすく体系化したCBGTテキストを制作しました。これはリワークプログラムでの実践をもとに作成しています。うつ病を治して復職する、あるいは、働きながらうつ病の再発を防止するには、しっかりとうつ病を治すことに加えて職場の問題解決に役立つスキルを習得する必要があります。テキストは基礎編、応用編、特別編に分かれています。
基礎編ではうつ病に影響するストレスの理解と気づき、整理の仕方を学び、応用編ではストレスへの対処法を学びます。

復職する人の中には再発以前にうつ病が治らないままに復職して再燃する人もいます。まずは基礎編と応用編でうつ病をしっかりと治すためのスキルを学びましょう。特別編では、うつ病の再発と関連深い睡眠や不安について、そして、職業生活で広く必要とされるスキル(人間関係の問題解決)についてまとめています。また、日常生活で認知行動療法のスキルを使いやすくするようにワークも活用しています。

うつ病は現代病とも呼ばれており、どの国においても近代化が進むにともなってこころの問題が増加することが知られています。私たちが今の社会で健康で豊かな生活を過ごすにはメンタルヘルスに関するリテラシーが必須であるといえます。科学や認知行動療法が絶対というわけではありませんが、皆様の病気の改善や生活の質の向上に少しでもお役にたてば幸いです。

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認定行動療法士・臨床心理士/公認心理師 岡田

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