皆様は仕事を続けるうえでもっとも障害となる問題をご存知でしょうか?
それはメンタルヘルスの問題です。地方公務員健康状況等の現況(令和2年)によると 「精神及び行動の障害」による長期病休者数(10万人率)は1,643.9人であり、1.6%の人がメンタルヘルス上の理由で仕事を休んでいることになります。これは長期病休者全体の6割になります。
そして、メンタルヘルスを理由とした休職者の数は年々増加しています。うつ病等の問題を抱えた場合には服薬治療やカウンセリング(認知行動療法など)といった標準化された治療法がありますが、治療は年単位になることも珍しくありません。
また、うつ病の場合には一度治っても再発してしまったり、そもそもなかなか治らずに慢性化することもあります。希死念慮といった自殺のリスクも発生します。そういう観点からはうつ病の予防やこころの健康の維持増進は重要なテーマといえます。
今回はこころの健康の維持増進として、若手職員向けのメンタルヘルス研修を行いました。ストレスマネジメント(ストレスの理解と対処)とともにストレスの原因となる人間関係の解決方法としてアサーションのワークを実施しましたが、メンタルヘルスに関する問題解決のためのスキルを習得しやすくするために、講師が一方的に知識を伝達する従来型の研修ではなく、実践練習を通して参加者が積極的に学べるワーク形式を採用しています。微力ではありますが、今後も地域のこころの健康の維持増進に取り組んでいきたいと思います。
臨床心理士 認定行動療法士 岡田