市民を対象としたゲートキーパー講座を実施してきました。
ゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応を図ることができる人のことを指します。
自殺対策では悩んでいる人に寄り添い、孤立しないようしていくことがとても大切です。
そのため、ゲートキーパーには特別な資格は必要なく、一人の市民として、身近な人が困っているときに、その人の立場からできることをしていくことが期待されます。
専門家による支援も重要ですが、一人で孤立することなく、身近に悩みや困りごとを理解してくれる人がいたり、優しく対応してくれる人がいたら安心しますよね。そのため、ゲートキーパー講習では専門的というより、一般的な関わりの延長で出来ることをテーマに研修を実施しています。
具体的な内容としては「気づく」「声をかける」「話を聞く」「問題を整理・評価する」「つなぐ」「見守る」の6項目について研修を行いました。また、「自殺するのは弱い人間だ」「自ら勝手に死んだ」といった自殺に関するよくある誤解についても解説をしました。
自殺問題に関して自殺対策基本法の成立や各自治体の対策など、個人の問題としてではなく社会の問題として扱うようになり、自殺は減少傾向にあります。
しかし、現在はコロナによる自粛があり、今後はコロナによる不況が本格化する恐れもあります。自殺の問題は経済と関連が深く、不景気で経済的な問題が生じると自殺のリスクが高まります。
メンタルヘルスの立場から、こころの病を抱える人々に対してだけではなく、一般の方に対しても自殺予防の啓蒙活動を続けていたいと思います。
臨床心理士/公認心理師 岡田