1.適応障害とは
適応障害は、「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」です。気分の落ち込みや不安感が強くなり、涙もろくなったり、心配しすぎるようになったりします。
ストレスとは「重大な生活上の変化やストレスに満ちた生活上の出来事」です。ストレス因は、個人的なこともあれば災害など社会全体にかかわることまで様々です。引っ越し、結婚、昇進などの変化がストレスになることもあり、変化の後の環境が変化の前の環境と比べて悪くなくても変化自体がストレスになることもあります。
また、何にストレスを感じるかはその人の事情や性格によっても異なりますし、ストレス耐性にも個人差があります。つまり適応障害とは、ある生活の変化や出来事がその人にとって重大で、社会生活や日常生活に影響が出るほど気分の落ち込み、不安が強い状態といえます。
ストレスとなる状況や出来事がはっきりしていて、その原因から離れると、症状は次第に改善します。でもストレス因から離れられない、取り除けない状況もあり、症状が長引くこともあります。 適応障害と診断されて、のちにうつ病などの診断名に変更されているケースも少なくなく、適応障害は実は重篤な病気の前段階の可能性もあるといえます。
うつ病と適応障害の違いとしては一般的に適応障害のほうが軽症で短期間です。そして適応障害のほうがストレス因と症状の相関が強いです。たとえば適応障害では平日職場では気分が落ち込み、不安が強く、意欲も出ないものの、休日はあまり気分が落ち込まず、趣味を楽しめるということがままあります。逆にうつ病では平日よりはましだとしても休日も気分が落ち込み、好きなこともしたくなく家に引きこもったり横になったりしているということが多いです。ただしうつ病の重症度にもよっても異なりますし、適応障害とうつ病の区別が難しいことは時々あります。
2.適応障害の治療について
適応障害の治療としてまず考えるのが「ストレス因の除去」です。ストレスの内容を細かく見ていくことで対策がしやすくなります。たとえば職場ストレスがストレス因となっているケースでもその内実はそれぞれです。仕事量が多すぎる場合、仕事内容がその人の経験・知識に比して難しすぎてついていけない場合、仕事の責任が重すぎてプレッシャーが著しい場合、上司との相性が悪い場合、部署でいじめにあっている場合など色々な原因があります。原因によって職場と相談して環境調整する焦点も異なります。
一人暮らしで家事が回らなかったり寂しくてストレスになっている人は家族との接点を増やすことがストレスの軽減につながりますし、逆に家族との関係が不良で家族がストレスになっていて、家族と距離を置くことがストレスの軽減につながるケースもあります。
とはいえ、ストレス因が十分に除去できないことも少なくありません。
ストレスを抱え込みやすい、思考や行動のパターンを変えていくことも大切です。悪い方に偏って考えてしまうのを色々な考え方ができるようにする、一人で抱え込まず周りに相談できるようにしていく、意識して休憩、気分転換する時間をとるようにするなどです。
また対症療法的に抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬等を用いることもあります。北参道こころの診療所は、東京都渋谷区千駄ヶ谷の精神科・心療内科です。
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