1.うつ病について
うつ病の定義は様々ですが例えば、DSM-5というアメリカ精神医学会の診断基準では、視覚的、あるいは他覚的に、ほとんどずっと一日中、毎日のように、気分の落ち込みや悲しみ、あるいは喜びや興味関心の減退が長い間(2週間以上)続く状態であり、睡眠の障害(過眠や不眠)、食欲の障害(食欲欲の減退や過食)、焦燥感、無価値観や罪悪感、易疲労感、気力の減退、死についての空想などの幾つかを伴うものということになります。この定義は症状のカテゴリー分けであり、様々な要因や成り立ちの「うつ病」が含まれている可能性がありますが、それらはひとまずおいておいて、そういう症状がある状態を「うつ病」(正確には「大うつ病性障害」)と呼びましょうという、いわばお約束です。
なぜそういうことにしたのかというと、うつ病の要因や成り立ちは体の病気のようになんらかの物的証拠や数字で確定できるものではないからです。上記のような症状を数えあげ、数値化することは不可能ではありませんが、それが本当になんの理由もなく脳のなんらかの化学反応の異常によって作られたものなのか、それとも強いストレスに晒され続けたから生じたものなのか、あるいは何か大切なものを失ってしまったから落ち込んでいるのかの区別は本人でさえつきにくく、ましてや精神科医などの専門家であっても、それぞれ意見が異なることもあり得るのです。そのためわかりやすい外から見える症状を数え上げて、その要件を満たすものを「うつ病」と呼ぶことにしたわけです。
したがって「うつ病」と診断されたからと言って、「適応障害」とか「うつ状態」とは全く違っているものだ、というものでもありません。ストレスに起因する抑うつ的な気分が徐々に悪化して、基準を超えるほど長引いたり、以前なかった食欲低下が見られるようになったということで⼀つ症状が加わり、診断上「うつ病」ということになったということが十分あり得るわけで、その境目に大きなギャップがあるという訳ではありません。
そしてその対処法もそれぞれ異なったアプローチが必要になる場合があります。しっかりと休養をとってお薬を使うという治療法が一番スタンダードかも知れませんが、ストレスを取り除くことだけで良くなる場合もあるし、薬では良くならない「うつ病」もあります。それぞれの病状をしっかりアセスメントして、それに合った治療法を一緒に相談していくことが重要となります。
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