医療法人イプシロン 北参道こころの診療所 渋谷区の精神科・心療内科

SOCIAL ANXIETY DISORDER

1.社交不安障害とは

精神科・心療内科を受診される患者さんの主な悩みの一つに「不安」があります。不安とは、漠然とした恐れの感情ですが、気持だけでなく、自律神経(自律神経失調症の項目参照)を介して動悸や震え、冷や汗や腹痛下痢などの身体症状をもたらします。また、発作的に症状が強まることもあります。その人が置かれた状況に強く反応して不安が起こる場合があって、その典型例はこの社交不安障害と別の項目にあるパニック障害です。

社交不安障害の「社交」とは、人の集まりに交わることを指しています。1対1なら大丈夫なのに、複数の人を前にすると、急に不安が高まるようなら、この社交不安障害が考えられます。見方を変えると、不安な場面に出るのを避けたライフスタイルを選ばざるを得なくなることにもなり、そういうサイレントな患者さんも多いという研究結果があります。また、持って生まれた不安になりやすい脳の体質も関係しているといわれています。

2.社交不安障害の症状

さかのぼると、小学生のころに人前で朗読するのが苦手だった、先生に指されても緊張して発言できなかったなどの体験に行き着くこともありますが、最も多い始まりは思春期です。家族などごく親しい関係の集団なら大丈夫でも、学校や会社、趣味の集まりなど、少し離れた関係の集団の中で注目される可能性のあるような場面で、話したり、行動したりする姿や、それによって自分が不安・恐怖状態になっているのを見られることをとてつもなく恐ることになるのです。ちょっとやそっとの緊張感は誰にでもありますが、この症状に悩む方々にとっては、恥ずかしい、否定される、迷惑をかける、などの思いが激しく圧倒し、こうした場面を避けるようになります。小規模ならば会食、より大きな集団としては学校や職場などでの発表やプレゼン、司会などです。

患者さんは、こうした状態を人に知られること自体苦痛なので、人知れず悩んで、時には不安を和らげるためにお酒を飲むという非常手段を使うようになることもあります。そうなると、依存の心配もありますし、病態が複雑になってしまいます。また、うつ病など他の病気を併せ持っていることもあります。

3.社交不安障害の治療

この状態に悩み続けている方は、特徴的な苦手場面での不安症状、という条件反射ができています。まず、病態を医学的に理解していただき、性格や意志が弱いというような囚われや、取り返しのつかないことになる、という過剰な思い込みを遠ざけます。

そして、不安・恐怖症状がどうにもならないものではなく、コントロールができるものであることを体験していくことが必要です。そのためには、薬物をうまく使うことができます。不安や恐怖には、脳内のセロトニンが関わっていて、その調整をするような薬は依存性もなく、十分な期間使うことが第一選択となります。また、抗不安薬(いわゆる安定剤)は、セロトニンの薬が効き始めるまで特に強い不安に対して頓服として使うと有効です。

条件反射のようになっている点には、問題となる場面に際してもそれほど圧倒されるわけでもないらしい、という体験を積むような練習を医師と相談しながら行うことが役に立ちます。

長年の悩みであっても、治療によって問題が改善するばかりではなくライフスタイルも変わることがありますので、ぜひご相談ください。

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